第25回飯田下伊那薬剤師会病診部会学術研究発表会
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2月15日(土) 第25回飯田下伊那薬剤師会病診部会学術研究発表会が行われました。
一般講演では、飯田病院『服薬情報提供書の取り組み』 飯田市立病院『退院時薬剤情報管理指導料』 下伊那厚生病院『薬薬連携』 健和会病院『入退院時の他院間連携』 下伊那赤十字病院『居宅療養管理指導』 (株)エムティーアイ『地域における病-薬連携』の6つの演題発表があり、薬薬連携に関する様々な取り組みについて紹介して頂きました。
特別講演では、健和会病院 副院長 透析センター長の熊谷悦子先生をお招きし、『慢性腎不全による腎性貧血治療の最新の話題~CKDガイドライン2018を踏まえて~』というテーマでご講演頂きました。
1. 病診連携・多職種介入
・かかりつけ医から専門医への紹介のタイミング、管理栄養士の介入が必要
・過度なタンパク制限はQOL、生命予後を悪くする。
・カリウム値は4.0~5.5の範囲に保つことがベスト。低カリウムは腎機能を落とす。
・ナトリウム制限はうっ血性心不全を防げる。目標:6gは無理なので、実際の目標は12g。
2. 高血圧・高齢者
・NSADs、利尿剤、ACEI/ARBは腎機能を落とす。
・75歳以上の患者の第一選択薬はCa拮抗剤
・高齢者の血圧管理:75歳以上は150/90、75歳未満は140/90 110を切ると死亡率が上がる。
3. 糖尿病性腎症
・アルブミン尿の検査は大事
・SGLT2は体重、尿中タンパクを減らすことができる。血圧も下がる。腎保護効果があるのではないか。将来的にはeGFR30%以下にも使えるようになるかもしれない。
4. 腎性貧血
・Hb:10未満 EPO:50未満は腎性貧血
・Hbの目標値:11~13
・鉄が不足するとEPOが効かないので、鉄を摂りましょう。
・ヘプシジン:鉄をブロックする物質
・EPO抵抗性貧血:鉄を囲みこんでしまっている症例にHIFが効く?期待できる新薬。
Q. 入院中血圧が下がるが、退院すると血圧が上がってしまうのは何故?
A. 減塩効果。入院中の食事は塩分6gになっている。家に戻るとだいたい1カ月で血圧が上がってくる。
Q. 高齢者の糖尿病で推奨される薬は?
A. DPP-4 追加するとすれば少量のSU剤(グリクラジド)またはグリニド薬(レパグリニド)
Q. SGLT2は何故腎症に効果があるのか?
A. タンパク尿減少効果、利尿効果、ヘモグロビン値が上がるなど腎臓にいい働きをしていると考えられる。