第11回南信糖尿病合併症フォーラム
投稿日: カテゴリー:かなえひまわり薬局日記, 学習会 from:sio
7日の夜、シルクホテルで開催された『第11回南信糖尿病合併症フォーラム』に出席しました。ひまわり薬局からは3名出席しました。
京都府立医科大学病院 内分泌・代謝内科学教授 福井道明先生より、『最適な2型糖尿病食事療法を目指して』というテーマで、3つのトピックについてご講演頂きました。
① 最適な食事療法とは
一日に必要なエネルギーは標準体重と活動量から計算できますが、同じエネルギーを摂るにしても、「炭水化物・たんぱく質・脂質の割合」「朝食を摂るか摂らないか」「早食いかよく噛んでゆっくり食べるか」「食べる時間帯」によって血糖上昇の仕方や消費エネルギー(DTI:食事誘導性熱代謝)に差が生じ、それが肥満の助長に繋がるそうです。
患者さんには「食習慣の指導」をすることが大切です。
② SGLT2阻害薬最近の話題
SGLT2阻害薬には「心・腎保護作用がある」「単に体重が減るだけでなく心臓周囲の脂肪や内臓脂肪を減らすことができる」「筋肉量は減るが筋肉の質は高めることができる」などが分かってきており、今まで推奨されてこなかった「高齢者、腎障害患者、肥満のない2型糖尿病患者」にも使えるというお話でした。
③ 高齢糖尿病患者の管理
高齢者では重度の低血糖症状を起こすことが認知症に繋がることが分かってきています。厳格な血糖管理は低血糖の危険性を高めるため、高齢者の血糖コントロール目標は、年齢や健康状態、さらに心理状態、QOL、社会・経済状況、患者や家族の希望などを考慮し、個々の患者さんごと個別に設定することが推奨されます。
高齢者では、たんぱく質制限が必要である反面、サルコペニア(筋力や身体機能の低下)の予防が大切であるため、たんぱく質を摂取することが必要になってきます。
red meatは良くないですが、植物性タンパク・乳タンパク・white meat(魚・鶏肉)の摂取は良いそうです。