学習会
緩和ケア薬物療法研究会第8回症例検討会
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12月8日(土)やまなみ薬局で開催された緩和ケア薬物療法研究会第8回症例検討会に参加しました。
一般講演は、瀬口脳神経外科病院 髙橋潤先生より、『急激な意識レベルの低下を来たした脳腫瘍症例』の症例報告がありました。
特別講演は、飯山赤十字病院 薬剤部 滝澤康志先生と西澤さとみ先生をお招きし、『緩和医療のはじめの一歩』というテーマで、西澤先生からは「便秘対策」について、滝澤先生からは「オピオイドの使い方」についてご講演頂きました。
その後、5つのグループに分かれ、StageⅣの食道癌の症例を基に①オキファスト注の用量 ②「自宅に帰りたい!」という本人の希望を叶えるために必要なこと ③便秘対策 について話し合いました。
グループディスカッションは少し緊張しましたが、他の院所の薬剤師さんと交流もでき、とても刺激になりました。
第14回飯伊薬剤師会学術研究発表会
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11月21日(水)やまなみ薬局で開催された第14回飯伊学術研究発表会に出席しました。
今年度は4つの演題発表がありました。
1.『ism-Linkにおける調剤情報活用とその実現方法』 株式会社エムティーアイ モバイルサービス営業本部 地域医療連携担当 内山嘉之氏
ism-Linkと調剤情報の連携システムを発展させることで、今後普及が予想される電子お薬手帳のシステムを容易に導入することが可能である・・・というお話だったようです。私は遅刻してしまい、拝聴することができませんでした(*_*;
2.『災害時における薬剤師の活動~明日起こるかもしれない災害に備えて~』 やまなみ薬局 牧内豊先生
一般社団法人日本災害医師会が主催するPhDLS(Pharmacy Disaster Life Support;災害薬事研修会コース)に参加し、災害医療の知識や基礎、フィジカルアセスメント、薬事トリアージなど、研修されてきたことを紹介して頂き、災害時に薬剤師が行える活動について提案してくださいました。
3.『高齢者における医薬品適正使用の取り組み』 健和会病院 鈴木道也先生
ポリファーマシーによる薬物相互作用や服薬アドヒアランス低下など、薬物治療における諸問題が社会的課題として注目され、ポリファーマシーについては診療報酬上でも評価されるようになった。健和会病院における「薬剤総合評価調整加算(250点)」の算定状況と現状の問題点を報告してくださいました。
4.『糖尿病における薬剤師としての服薬支援・指導の現状とその意義』 川上薬局 川上達也先生
薬局部会会員に対して行った「糖尿病療養手帳の認知度・活用度等」のアンケート調査の結果を交えながら、ポリファーマシーや服薬アドヒアランスの問題、「服用薬剤調整支援料(125点)「重複投薬・相互作用等防止加算(30点)」等の保険点数について紹介してくださいました。医師会の先生からは、糖尿病療養手帳に何でもいいから(例えば「薬飲めてます」だけでもいいから)書いて欲しいとご要望を頂いているそうです。
糖尿病・代謝研究会
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13日の夜、シルクホテルで開催された「糖尿病・代謝研究会」に出席しました。
☆General Presentation
『糖尿病における薬剤師としての服薬支援・指導の現状とその意義』 川上薬局 川上 達也先生
薬局部会の薬剤師に対して行った「糖尿病療養手帳」の認知度・活用度等のアンケート調査の結果を交えながら、ポリファーマシーやアドヒアランスの問題、「服用薬剤調整支援料(125点)」「重複投薬・相互作用等防止加算:残薬調整に係るものの場合(30点)」等の保険薬局の点数についても紹介してくださいました。
☆Keynote Lecture
『糖尿病における治療継続を高めるには?~多職種連携の重要性~』 佐久市立国保浅間病院 地域医療部長・糖尿病センター長 仲 元司先生
・糖尿病患者さんの治療中断率は年8%という調査結果が出ており、中断の理由は、経済的・通院困難・仕事が忙しい・待ち時間が長い・症状がない・薬を飲みたくない・スタッフと合わないなど様々である。
・糖尿病の医療とは患者さんに寄り添うものであり、患者さんの「生活を知る」ことから医療が始まる。糖尿病はチーム医療に向いている。患者さんの生活を見える化するツールとして「リブレプロ」は有用である。
・「糖尿病は一生付き合う病気であり、軽く見てはいけない」と最初に伝えることも重要。
・中断対策として大切なことは、「皆、心配している」というメッセージを送り続けること。
・内服あるいは注射忘れが減れば、血糖コントロールは必ず良くなる。残薬をなくす工夫が必要である。
・糖尿病は地域連携にも向いている。
先生は友の会活動・糖尿病カフェ(勉強会)・マレットゴルフ大会・劇団など様々な活動をされておられます。一緒に活動されているスタッフの皆さんもとてもイキイキされていて感服しました(*_*;
学習会 ゾフルーザ錠
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今月は、抗インフルエンザウイルス剤:ゾフルーザ®錠(一般名:バロキサビルマルボキシル)の学習会を行いました。
効能・効果は「A型またはB型インフルエンザ感染症」です。
ゾフルーザ®錠は「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤」と呼ばれる新規の作用機序を有する治療薬で、1回の経口投与で治療が完了するという特徴があります。
これまで使われてきたタミフル®、リレンザ®、イナビル®などの治療薬は、「ノイラミニダーゼ阻害剤」という種類で、細胞内で増えたウイルスが細胞から外に出る過程を阻害することで、周りの細胞に感染が拡がっていくのを防ぎます。
一方、ゾフルーザ錠は、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを選択的に阻害し、mRNAの合成を阻害することによって、細胞内でのウイルスの増殖自体を抑制します。ウイルス量を早期に減少させるため、感染拡大を抑える効果も期待されているそうです。
用法・用量は、成人と12歳以上の小児は20mg2錠。体重80Kg以上の患者さんには20mg4錠。12歳未満の小児には、40Kg以上では20mg2錠、20~40Kg未満では20mg1錠、10~20Kg未満では10mg1錠。
薬価は10mgが1507.5円、20mgが2394.5円。1日薬価は4789円です。因みにイナビル®は4279.8円、タミフル®は2720円(5日間)です。
胃腸が弱っていて薬を飲んでも吐いてしまうような人には、吸入タイプが適していますし、小児や吸入力が落ちているような人には内服薬が適しています。それぞれの薬の特徴を活かして薬を選択することが大切です。
学習会 オキシコンチンTR錠
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今月は、持続性癌疼痛治療剤:オキシコンチン®TR錠の学習会を行いました。
医療用麻薬は患者の疼痛緩和等に有益である一方で、特に米国においては医療用麻薬の乱用が大きな社会問題となっており、錠剤をハンマーなどで砕いて粉末状にし、それを水に溶解させて注射するといった乱用があとを絶たないそうです。
オキシコンチン®TR錠は、
① 既存の製剤に比べて粉末まで砕くことが困難
② 水分を吸収すると膨潤しゲル化するため溶解が困難
といった乱用防止特性を有する製剤として、開発・発売されました。
注意点としては、高脂肪食を摂取した後の投与ではオキシコドンの血中濃度上昇が認められているため、食後又は空腹時のいずれか一定条件下で投与すること、また既存製剤から本製剤への食後投与の切り替えにおいては、副作用の発現に十分な注意が必要だそうです。
がんの痛みに対するオピオイドの使い方、オキシコンチン®TR錠とオキノーム®散による疼痛コントロールについても学習しました。