学習会
メーカー学習会:ベルソムラ錠
投稿日: カテゴリー:学習会 from:suzu
ベルソムラ®錠のメーカー学習会を行いました。
ベルソムラ®錠は、不眠症治療薬です。
不眠症治療薬は「バルビツール酸系睡眠薬」にはじまり、「ベンゾジアゼピン系睡眠薬」「非ベンゾジアゼピン系睡眠薬」等がよく使われてきました。これらはいずれもGABA受容体作動薬に分類される薬でした。その後「メラトニン受容体作動薬」という体内時計を介して眠りをもたらす薬が開発されました。そしてさらに最近、オレキシンという覚醒にかかわる脳内物質の働きを抑えることによって睡眠に導く「オレキシン受容体拮抗薬」:ベルソムラ®錠が開発されました。
オレキシンは起きている状態を保たせる働きがあります。この働きが夜寝るときに過剰であると不眠になります。オレキシン受容体拮抗薬:ベルソムラ®錠はオレキシンの働きを抑えて眠りに導きます。そのため自然な眠りを導き、ふらつき・転倒が少なく、夜中にトイレなどで起きた後も寝つきがよいと言われています。
ベルソムラ®錠の登場により不眠治療薬の選択肢が広まりました。自分の不眠の症状を医師に相談し適切な対処法、治療法を行いましょう。
学習会:モビコール配合内用液
投稿日: カテゴリー:学習会 from:sio
モビコール®配合内用剤のメーカー学習会を行いました。
モビコール®配合内用剤は、慢性便秘症に対して使用可能な国内初のポリエチレングリコール(PEG)製剤で、2歳以上の小児および成人において使用可能です。
主成分のポリエチレングリコールの浸透圧効果により、腸管内の水分量を増加させ、その結果、便中水分量が増加→便が軟化→便容積が増大することで、生理的に大腸の蠕動運動が活発化し、排便が促されることを期待した薬剤です。
海外のガイドラインではPEG製剤が慢性便秘症の第一選択薬となっているのですが、日本では慢性便秘症の薬としては適応がないのが現状でした。便秘症は、小児の場合で特に重症化しやすいことが知られており、日本小児栄養消化器肝臓学会からの要請を受けて、日本でも開発が進み、2018年11月に承認・発売されました。
服用の注意点は・・・
・1包につき60mlの水に溶かして服用します。2包の場合は120ml、3包の場合は180mlです。
・ジュースに混ぜてもOK
・50℃だと生臭くなるのでお勧めしない、80℃以上では崩壊してしまう
・NaClを含むので味はしょっぱい
・食事の影響を受けないため、いつ飲んでも可
・飲みきれない時は冷蔵庫に入れて保管する(2日くらいは服用可)
・1日量を1回に飲んでも、分けて飲んでも効果に有意差はない
・作用発現までに2日を要する
慢性便秘症の治療薬は、長い間新しい薬が出て来なかったのですが、「アミティーザ®」「グーフィス®」「リンゼス®」「モビコール®」と近年続々と新薬が誕生しています。慢性便秘症の治療選択肢が格段に広がってきました!(^^)!
学習会:エプクルーサ配合錠
投稿日: カテゴリー:学習会 from:sio
エプクルーサ®配合錠のメーカー学習会を行いました。
エプクルーサ®配合錠はギリアド社が発売を予定してるC型肝炎治療薬です。
核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害剤のソホスブビルとNS5A阻害薬であるベルパタスビルを配合した製剤であり、NS3/4Aプロテアーゼ阻害薬を含まない(PIフリー)DAA配合錠です。
効能・効果は「前治療歴を有するC型慢性肝炎、C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」および「C型非代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善」です。
特徴は、①すべてのジェノタイプに効果が期待できる(パンジェノタイプ)②非代償性肝硬変に適応を持つ ことです。
これまで「C型慢性肝炎」や「C型代償性肝硬変」では治療薬があるのに対し、「C型非代償性肝硬変」には承認された治療薬がありませんでした。また、既存のDAA治療不成功の症例に対する治療の選択肢も限られていました。
エプクルーサ®配合錠は従来薬で治癒しなかった患者さんや非代償性肝硬変に適用できる期待の新薬です。
C型肝炎治療は、インターフェロン単独療法の時代を経て、インターフェロンフリーのDAA製剤が登場し、この間新しい製剤が相次いで開発されてきましたが、今回また新たなDAA製剤が登場しました。医学の進歩はすごいです!
第24回飯伊病診部会学術研修会・特別講演会
投稿日: カテゴリー:学習会 from:sio
2月9日(土)にシルクホテルで開催された第24回飯伊病診部会学術研修会・特別講演会に出席しました。
学術研修会では4つの演題発表がありました。
ワルファリンとメトロニダゾール併用による抗凝固能が亢進した症例、がん化学療法によるステロイド高血糖の症例、感染対策チームの活動、「出前健康講座」の活動の報告がありました。発表を通して病院での薬剤師の活動を知ることができ、とても興味深かったです。
特別講演会は、飯田病院循環器内科の横田大介先生をお招きして、「動脈疾患/静脈疾患と薬剤」~循環器領域におけるいわゆる血液サラサラ薬~というテーマでご講演頂きました。
動脈疾患では、冠動脈ステント治療について実際の画像を用いながら紹介して頂き、治療後の抗血小板剤の使い方を詳しく説明して頂きました。
静脈疾患では、静脈血栓塞栓症(急性肺血栓塞栓症、深部静脈血栓症)の病態について説明して頂き、抗凝固薬(DOAC)のそれぞれの特徴について説明して頂きました。
実際の血管画像を見る機会はないので、バルーンで拡げてステントを入れることによって、詰まった血管に再び血液が流れ出す様子はとても感動的でした。
2018長野県民医連学術・研究発表会
投稿日: カテゴリー:学習会 from:sio
12月9日(日)松本市のJA松本会館において長野県民医連学術・研究発表会が行われました。ひまわり薬局からは6名参加しました。
今年度は10演題の発表がありました。様々な分野での発表で、どの演題もとても勉強になりました。中でも塩尻ひまわり薬局の『OTC医薬品の薬歴管理・指導の向上に向けて~百草丸・太田胃散の使用状況調査と薬歴管理においての取り組み~』では、太田胃散1日量の中には炭酸水素ナトリウム1,875gが含まれており、それは約1.3gの食塩量に相当するため、心疾患や高血圧症の方には注意が必要ということを基に、アンケート調査を実施しており、とても参考になりました。
当薬局からは、『高校生薬剤師体験への取り組み』についての活動報告をしました。
特別講演は、日本医科大学付属病院安全管理部感染制御室 根井貴仁先生をお招きし、『AMR対策~抗菌薬の適正使用とワクチン接種~』というテーマでご講演頂きました。
抗生物質の過剰使用がもたらす抗菌薬耐性菌の問題が、世界的に指摘されていますが、このまま何も対策が講じられなければ、2050年には全世界で年間1,000万人が薬剤耐性菌により死亡することが推定されているそうです。それを踏まえて、抗菌薬を濫用しないための感染症診療の原則・AST(抗菌薬適正使用支援チーム)活動の実際・AMR(薬剤耐性)対策・ワクチンに関してなど、ユニークな表現を用いて分かりやすくお話ししてくださいました。随所にアニメキャラクターなどが登場し、とても楽しいご講演で、とても勉強になりました。