学習会 ゾフルーザ錠
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今月は、抗インフルエンザウイルス剤:ゾフルーザ®錠(一般名:バロキサビルマルボキシル)の学習会を行いました。
効能・効果は「A型またはB型インフルエンザ感染症」です。
ゾフルーザ®錠は「キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害剤」と呼ばれる新規の作用機序を有する治療薬で、1回の経口投与で治療が完了するという特徴があります。
これまで使われてきたタミフル®、リレンザ®、イナビル®などの治療薬は、「ノイラミニダーゼ阻害剤」という種類で、細胞内で増えたウイルスが細胞から外に出る過程を阻害することで、周りの細胞に感染が拡がっていくのを防ぎます。
一方、ゾフルーザ錠は、キャップ依存性エンドヌクレアーゼを選択的に阻害し、mRNAの合成を阻害することによって、細胞内でのウイルスの増殖自体を抑制します。ウイルス量を早期に減少させるため、感染拡大を抑える効果も期待されているそうです。
用法・用量は、成人と12歳以上の小児は20mg2錠。体重80Kg以上の患者さんには20mg4錠。12歳未満の小児には、40Kg以上では20mg2錠、20~40Kg未満では20mg1錠、10~20Kg未満では10mg1錠。
薬価は10mgが1507.5円、20mgが2394.5円。1日薬価は4789円です。因みにイナビル®は4279.8円、タミフル®は2720円(5日間)です。
胃腸が弱っていて薬を飲んでも吐いてしまうような人には、吸入タイプが適していますし、小児や吸入力が落ちているような人には内服薬が適しています。それぞれの薬の特徴を活かして薬を選択することが大切です。